せん断弾性率計算機
加えた力、荷重面積、せん断変位、試験片の高さから材料の剛性を計算します。
材料剛性の入力値
単純せん断試験から、せん断応力、せん断ひずみ、せん断弾性率を求めます。
せん断弾性率について
せん断弾性率は通常 G で表され、接線方向の荷重による形状変化に対する材料の抵抗を示します。線形弾性域では、せん断応力とせん断ひずみを G = tau / gamma で関係づけます。値が高い材料はせん断に対して剛性が高く、値が低い材料は向かい合う面が横方向に押されると変形しやすいことを意味します。
この計算機は、基本的な試験形状から比の分子と分母を求めます。せん断応力は接線方向の力を荷重が作用する断面積で割った値で、tau = F / A です。工学せん断ひずみは横方向の変位を試験片の元の高さで割った値で、gamma = 変位 / 高さ です。応力をひずみで割るとパスカル単位の弾性率が得られ、読みやすいようにメガパスカルで表示します。入力寸法はすべて SI 単位系を使うため、暗黙の単位換算はありません。
計算では均一な応力場、微小変形、線形弾性挙動を仮定します。これらは基礎力学、予備設計、せん断応力・ひずみ曲線の初期勾配の解釈に有用です。変形が大きくなったり材料が降伏し始めたりすると、応力とひずみの関係は線形でなくなることがあり、単一の弾性率では応答全体を表せません。
等方性材料では、せん断弾性率はヤング率 E とポアソン比 nu により G = E / (2 × (1 + nu)) と表せます。直接せん断試験やねじり試験の値をこの関係と比較すると、整合性を確認できます。複合材料、積層材料、セル構造材料、方向依存性のある材料には複数の有効せん断弾性率があるため、試験片の向きと試験方法が重要です。
測定精度は結果に大きく影響します。面積は接線力を受ける面、高さは横方向の相対移動が生じる面間の距離を表し、変位からは可能な限り試験機のたわみや治具の滑りを除く必要があります。ひずみが小さい場合、わずかな変位誤差でも算出弾性率が大きく変わります。材料評価には校正済みの測定と繰り返し試験を用いてください。
この計算機は理想化した工学的推定値を示すもので、認証された材料特性ではありません。温度、ひずみ速度、水分、製造履歴、荷重周波数はいずれも測定剛性に影響します。安全上重要な設計を左右する値には、材料規格と試験報告書を参照してください。
せん断弾性率の計算例
| 試験入力値 | せん断弾性率 | 中間値 |
|---|---|---|
| 1000 N、0.01 m²、高さ 0.5 m に対し変位 0.002 m | 25 MPa | 応力は 100 kPa、ひずみは 0.004 です。 |
| 5000 N、0.02 m²、高さ 0.2 m に対し変位 0.001 m | 50 MPa | 応力は 250 kPa、ひずみは 0.005 です。 |
| 2400 N、0.004 m²、高さ 0.3 m に対し変位 0.0006 m | 300 MPa | 応力は 600 kPa、ひずみは 0.002 です。 |
せん断弾性率の計算方法
- 試験片に加えた接線方向の力を入力します。
- 荷重面積、横方向の変位、試験片の元の高さを入力します。
- 「せん断弾性率を計算」を選択します。
- 弾性率を使用する前に、算出された応力とひずみを確認します。
せん断弾性率のよくある質問
せん断弾性率が高いとはどういう意味ですか?
材料が角度変形に強く抵抗することを意味します。同じせん断ひずみを生じさせるには、より大きなせん断応力が必要です。
せん断弾性率はヤング率と同じですか?
いいえ。ヤング率は軸方向の引張りや圧縮を、せん断弾性率は接線方向の変形を表します。等方性材料ではポアソン比を介して関係づけられます。
せん断ひずみが無次元なのはなぜですか?
変位を長さで割るため、長さの単位が相殺されます。微小変形では、ラジアンで表したせん断角にも近似します。
変位と高さにミリメートルを使えますか?
はい。両方が同じ長さの単位なら比は無次元です。ただし、応力をパスカルで得るには力と面積の単位を整合させる必要があります。
降伏後もこの式は使えますか?
この単純な比が最も意味を持つのは線形弾性域です。降伏後は材料応答が非線形となるため、実測した応力・ひずみ曲線で表す必要があります。