傾向スコアマッチング計算機
傾向スコアが最も近い対照を処置群の各観測に対応付け、処置群の平均処置効果を推定します。
傾向スコアによる最近傍マッチング
対応するスコアと結果をカンマ区切りで入力してください。入力順に照合し、各対照は一度だけ使用します。
傾向スコアマッチングについて
傾向スコアマッチングは、処置が無作為に割り当てられていない観察研究のための設計手法です。傾向スコアとは、測定済みの処置前共変量を条件として、ある観測単位が処置を受ける確率の推定値です。スコアが近い観測は、モデル上の処置確率も近くなります。処置群を比較可能な未処置の対照と対応付けると、共変量のバランスが改善し、未調整の結果差より信頼できる比較につながります。
この計算機は、非復元の貪欲法による一対一の最近傍マッチングを行います。入力順に処置群の観測を取り上げ、傾向スコアの絶対差が最小の未使用対照を選び、その対照を以降の候補から除きます。表示される処置群平均処置効果、ATT は、各ペアの処置結果から対照結果を引いた差の平均です。ATT が正なら、選んだ結果尺度で処置群の観測結果の平均が高いことを示します。
スコアと結果のリストは対応している必要があります。最初の処置スコアは最初の処置結果に対応し、対照群も同様です。傾向スコアはゼロから一の範囲に収めてください。非復元のため、対照群には処置群以上の観測数が必要です。貪欲法の結果は処置群の入力順に依存する場合があり、近いスコアの対照を複数の観測が取り合うと特に影響します。最適マッチングのソフトウェアでは総距離がさらに小さくなる場合があります。
傾向スコアが近いだけで、すべての共変量が均衡しているとは限りません。マッチング後は重要な各ベースライン変数について、標準化平均差、分布、重なり、サンプルの保持状況を確認してください。スコアの推定には処置前に測定した変数のみを使い、処置後の結果ではなく、妥当な交絡因子を含めます。重なりが乏しいと、一部の処置観測に信頼できる対照がありません。その場合は強制的な対応付けよりキャリパーやトリミング規則が適しています。
因果的に解釈するには、重要な未測定交絡がないこと、関連する共変量パターンで処置を受ける可能性があること、観測間の干渉がないこと、モデルが適切に指定されていることが必要です。マッチングは無作為化を生み出すわけではなく、隠れたバイアスも除去しません。標準誤差にもマッチングとスコア推定を考慮する方法が必要です。この簡易計算機は決定的なペア作成の理解や小規模な例の確認に使えます。公表用の分析では、キャリパー、同距離の処理、復元の選択、バランス診断、感度分析、適切な不確実性推定に対応した統計ソフトウェアを使ってください。
マッチングの例
| スコアと結果 | ATT | 解釈 |
|---|---|---|
| 処置:0.80/10, 0.60/8;対照:0.75/7, 0.55/5 | 3.000 | 各処置単位が最も近い対照とペアになります。 |
| 処置:0.90/12, 0.40/6;対照:0.85/10, 0.45/5 | 1.500 | ペアごとの差は 2 と 1 です。 |
| 処置:0.70/20;対照:0.60/16, 0.72/18 | 2.000 | スコア 0.72 の対照が最も近くなります。 |
簡単な傾向スコアマッチングの手順
- 処置群のスコアと結果を対応する順に入力します。
- 対照群のスコアと結果を対応順に入力し、処置群以上の数を用意します。
- 最近傍マッチングを実行し、すべてのスコア距離を確認します。
- 重なり、共変量バランス、因果推論の仮定を確認してから ATT を解釈します。
傾向スコアマッチングのよくある質問
傾向スコアとは何ですか?
測定済みのベースライン共変量を条件とする、処置を受ける確率の推定値です。モデル化した共変量をマッチング用に要約しますが、未測定交絡は考慮しません。
非復元マッチングとは何ですか?
各対照を割り当てられる処置観測は最大一つです。対照の重複を防げますが、後のマッチングの類似度が下がることがあります。
なぜ入力順で結果が変わるのですか?
貪欲法は利用可能な最も近い対照を順次割り当てます。先の割り当てで、後の処置単位に最適な対照が使われてしまう場合があります。
ATT は何を測りますか?
処置観測の結果と、対応する対照結果との平均差を推定します。因果的な解釈には十分なバランスと重なり、および重要な未測定交絡がないことが必要です。
距離の大きいマッチを受け入れてよいですか?
通常は詳しく調べ、事前に定めたキャリパーで除外することを検討します。遠い相手との強制的なマッチングは、観測を多く残せてもバイアスを増やす可能性があります。