Cohen's d効果量計算機

Cohen's dを素早く計算して、2群の平均差を標準化して把握。プール標準偏差、効果量、解釈ラベルをすぐに表示します。

各群の平均、標準偏差、サンプルサイズを入力して「計算」をクリックすると、Cohen's d と効果量の解釈が表示されます。

Cohen's d効果量計算機
Cohen's dを素早く計算して、2群の平均差を標準化して把握。プール標準偏差、効果量、解釈ラベルをすぐに表示します。

グループ1のデータ

グループ2のデータ

Cohen's d 計算機について

Cohen's d は、2つの独立した群の平均を比較する際に最も広く使われる効果量指標です。統計学者 Jacob Cohen が1969年の画期的な著書『Statistical Power Analysis for the Behavioral Sciences』で提唱し、2つの平均差をプール標準偏差で表します。結果は無次元の数値なので、テスト得点、反応時間、血圧、ユーザー当たり売上など、何を測定した場合でも共通の尺度で比較できます。 式はシンプルです。d = (M₁ − M₂) / s_pooled で、s_pooled は2群の標本分散を重み付き平均したものの平方根です。このプール標準偏差により、2群のサンプルサイズが異なる可能性を考慮できます。d の符号は方向を示し、正の d はグループ1の平均が高いこと、負の d はグループ2の平均が高いことを意味します。 Jacob Cohen が提案した慣例的な基準は、その後、社会科学や生物医学で標準になりました。絶対値が 0.2 未満の d は無視できるとされ、データ上では差がほとんど見えません。0.2 から 0.5 は小さいが実在する効果で、たとえば15歳と16歳の男子の身長差に見られる重なり具合に近いものです。0.5 から 0.8 は中程度で、Cohen の元の分析では事務職と半熟練労働者の平均 IQ 差に相当しました。0.8 を超えると大きな効果で、13歳と18歳の男子の身長差のように、見ただけで分かる違いに対応します。 ただし、これらの基準は厳密なルールではなく、経験則として扱うべきです。分野によっては、小さな効果量でも実務上きわめて重要なことがあります。たとえば、人口が数百万人規模の集団で死亡率をわずかでも下げる薬は、非常に大きな公衆衛生上の利益を生みます。逆に、設計の悪い質問票で大きな効果量が出ても、現実世界で意味のある差とは限りません。d は信頼区間、サンプルサイズ、分野知識と併せて解釈してください。 Cohen's d は他の効果量とも密接に関係しています。Hedges' g はプール標準偏差に小標本のバイアス補正を加えたもので、少数サンプル(各群 n < 20)に向いています。Glass's Δ は対照群の標準偏差のみで割るため、2群で本質的に分散が異なると予想される場合に有用です。相関、分散分析、回帰のような複雑な設計では、それぞれ Pearson's r、η²(eta-squared)、partial η² が対応する指標です。 実務では、Cohen's d は検出力分析、メタ分析、研究報告でよく使われます。検出力分析では、期待される効果量が分かれば、所定の検出力(power)で効果を捉えるために必要なサンプルサイズを計算できます。メタ分析では、複数研究の d を加重平均して、真の効果の統合推定値を得られます。臨床研究では、多くの学術誌が p 値と併せて d の報告を求めます。なぜなら、結果が統計的に有意(p < 0.05)でも、サンプルが非常に大きいと効果量はごく小さいことがあるからです。

Cohen's d の例

教育、医療、心理学、マーケティングの4つのシナリオで、効果量の読み方を示します。

各群(M, SD, n)Cohen's d解釈
G1: M=85, SD=10, n=30 vs G2: M=80, SD=9, n=30d ≈ 0.52中程度の効果。新しい教授法により、テスト得点が対照群より有意に高くなっています。
G1: M=120, SD=15, n=50 vs G2: M=130, SD=16, n=50d ≈ −0.65中程度の効果(負)。薬物群の血圧はプラセボ群より低く、臨床的に好ましい結果です。
G1: M=450, SD=50, n=25 vs G2: M=500, SD=55, n=25d ≈ −0.95大きな効果。カフェインは、非カフェイン群と比べて反応時間を大幅に短縮します。
G1: M=75.50, SD=20, n=100 vs G2: M=70.25, SD=18, n=100d ≈ 0.28小さな効果。レイアウトAは平均購入額をわずかに押し上げます。統計的には検出できますが、実務上の影響は限定的です。

Cohen's d 計算機の使い方

  1. 左側パネルにグループ1の平均 (M)、標準偏差 (s)、サンプルサイズ (n) を入力します。
  2. 右側パネルにグループ2の同じ3つの値を入力します。サンプルサイズは少なくとも 2 必要です。
  3. 「計算」をクリックします。プール標準偏差、Cohen's d、解釈ラベル(無視できる / 小 / 中 / 大)が表示されます。
  4. 例のボタンを使うと、教育、医療研究、心理学の事前設定シナリオを読み込めます。
  5. 「リセット」をクリックすると、すべての入力欄がクリアされ、新しい計算を始められます。

Cohen's d FAQ

良い Cohen's d の値は?
Cohen の基準は d = 0.2(小)、0.5(中)、0.8(大)です。ただし「良い」かどうかは文脈次第です。認知心理学では d = 0.3 でも意味があることが多く、医療では小さな d でも命を救う介入なら非常に重要です。常に、その分野で一般的な効果量や実際の影響とあわせて解釈してください。
プール標準偏差とは?
プール標準偏差は、両群の分散を1つの within-group のばらつき推定値としてまとめたもので、各群の自由度(n − 1)で重み付けされます。これが Cohen's d の分母です。片方の標準偏差だけを使うのではなくプール標準偏差を使うことで、サンプルサイズが異なる場合や分散がやや違う場合に効果量が歪むのを防げます。
Cohen's d ではなく Hedges' g を使うのはいつ?
Hedges' g は Cohen's d に小標本のバイアス補正を加えたものです。各群 n > 20 なら差はほぼ無視できますが、より小さい標本では意味を持つことがあります。どちらかの群が 20 件未満なら、Hedges' g を報告するのが推奨されます。補正係数はおよそ (1 − 3 / (4(n₁+n₂) − 9)) で、これをこの計算機で得た Cohen's d に掛けます。
Cohen's d は等分散を仮定しますか?
標準的なプール標準偏差の式は、2つの母分散が概ね等しい(分散の等質性)ことを暗黙に仮定しています。分散が大きく異なる場合は、対照群の標準偏差だけで割る Glass's Δ を検討するか、比較ごとに別々の効果量を報告してください。Levene 検定や2つの標準偏差を目視で比べるだけでも、この仮定が妥当か判断する助けになります。
Cohen's d は負になり得ますか?
はい。負の d は、グループ2の平均がグループ1より高いことを意味するだけです。符号は差の方向を示し、大きさではありません。多くの研究デザインでは、符号はどちらをグループ1と定義するかに依存するため任意です。効果量の解釈では d の絶対値が重要で、符号はどちらの群が高いかを示します。
効果量は統計的有意性とどう関係しますか?
統計的有意性(p 値)は、その効果が偶然に起きた可能性が低いかを示します。効果量(Cohen's d)は、その効果がどれほど大きいかを示します。サンプルが非常に大きいと、効果がごく小さくても高度に有意になることがあります。逆に、サンプルが小さいと、大きな効果でも有意水準に達しないことがあります。p 値と Cohen's d を両方報告することで、結果の強さと信頼性をより完全に示せます。