PCB配線幅計算機
IPC-2221式を使い、電流、銅箔重量、許容温度上昇からPCBの内層または外層の銅配線寸法を求めます。
電源配線の初期検討に向けて、導体の最小幅と断面積を推定します。
PCB配線幅計算機
設計電流、温度上昇、銅箔重量、配線層の位置を入力してください。
PCB配線幅の計算について
PCBの配線幅は、銅導体が過度に温度上昇せずに流せる電流量を左右します。有限の抵抗に電流が流れると発熱し、細い配線は断面積が小さいため、電流を流し熱を広げる能力が低くなります。この計算機は経験式である IPC-2221 の電流式を変形し、指定した電流、銅箔重量、温度上昇、層位置に必要な最小断面積と幅を推定します。
式は I = k × ΔT^0.44 × A^0.725 です。電流 I はアンペア、許容温度上昇 ΔT は摂氏度、断面積 A は平方ミルで表します。係数 k は外層配線で 0.048、内層配線で 0.024 です。内層導体は積層材に囲まれ、一般に放熱しにくいため、この従来のIPCモデルでは大きな断面積が必要とされます。
断面積を求めた後、銅箔の厚さで割って幅を算出します。一オンス銅箔の厚さは製造公差を考慮する前で約 1.378 mils、つまり 35 µm です。二オンス銅箔は公称厚さが倍なので、同じ断面積に必要な幅はおよそ半分になります。仕上がり厚さはめっきや工程変動によって変わるため、重要な設計では基板メーカーから実際の積層構成を入手してください。
温度上昇とは配線温度が局所的な周囲温度より高くなる分であり、最高周囲温度そのものではありません。10°C の上昇は保守的な条件で、敏感な回路や高信頼性回路によく使われます。20°C や 30°C を許容すると配線を細くできますが、導体抵抗が増え、近くの部品を温め、過負荷時の余裕も減ります。筐体内温度、銅プレーン、気流、デューティ比、周囲の発熱部品を考慮してください。
IPC-2221 は初期の寸法検討に役立つモデルであり、完全な熱シミュレーションではありません。新しい IPC-2152 の指針は基板構造や環境の影響をより詳しく扱います。パッド、ビア、コネクター、局所的な細線部、ソルダーレジスト、並行するプレーン、短時間の過渡電流なども実際の性能に影響します。結果を製造可能な幅へ切り上げて設計余裕を加え、電圧降下を別途確認し、設計確定前に最悪条件で大電流試作基板を評価してください。
PCB配線幅の計算例
IPC-2221モデルによる代表的な銅配線の計算結果です。
| 設計条件 | 最小幅 | 解説 |
|---|---|---|
| 外層、1 A、温度上昇 10°C、1 oz | 11.83 mil / 0.300 mm | 比較的小電流の外層電源配線。 |
| 内層、2 A、温度上昇 20°C、1 oz | 52.55 mil / 1.335 mm | 内層配線には大幅に広い幅が必要です。 |
| 外層、5 A、温度上昇 20°C、2 oz | 35.74 mil / 0.908 mm | 銅箔が厚いほど必要な幅は小さくなります。 |
PCB配線の寸法を決める方法
- 導体が外層と内層のどちらにあるかを選びます。
- 最大連続電流と許容温度上昇を入力します。
- 基板の積層構成に記載された仕上がり銅箔重量を入力します。
- 「計算」をクリックし、最小幅を切り上げて設計余裕を加えます。
PCB配線幅のよくある質問
温度上昇はどの値を選べばよいですか?
摂氏十度は保守的な出発点で、一般的な商用設計では 20°C もよく使われます。周辺部品が温度に敏感な場合や信頼性要件が厳しい場合は、低い値を使ってください。
内層配線のほうが太いのはなぜですか?
内層銅は積層材に囲まれており、周囲の空気へ直接熱を逃がしにくいためです。IPC-2221の係数は、この低い放熱性を反映しています。
二オンス銅箔なら必要幅は半分になりますか?
計算上の断面積が同じなら、公称厚さを倍にすると幅はおよそ半分になります。ただし、製造上の制約や仕上がり銅厚により、実際には正確に半分にならないことがあります。
IPC-2221は最新の寸法算定方法ですか?
IPC-2152のほうが詳細な熱設計指針を提供し、厳密な検討に適しています。IPC-2221も、迅速で保守的な初期推定には役立ちます。
計算された幅をそのまま使うべきですか?
いいえ。実用的な配線幅へ切り上げ、製造と動作の余裕を確保してください。最悪条件で電圧降下と試作基板の温度を確認してください。