エントロピー計算機
可逆的な熱移動と絶対温度から、熱力学的なエントロピー変化を計算します。
熱量から求めるエントロピー変化
可逆等温過程の関係式「エントロピー変化=熱量÷温度」を使います。
エントロピー計算機について
エントロピーは、系が取り得る微視的な配置の間でエネルギーがどのように分散しているかを表す熱力学的な状態関数です。一定の絶対温度で可逆的に熱が移動する場合、エントロピー変化は可逆熱量を温度で割った値に等しくなります。この計算機はその関係を直接適用します。キロジュールで入力した熱量をジュールに換算し、ケルビン温度で割って、ジュール毎ケルビンの結果を返します。
熱量の符号は重要です。系が可逆的に吸収する熱は正で、エントロピー変化も正になります。系が放出する熱は負で、変化も負になります。ただし、正の値だけで過程が自発的だとは判断できません。自発性は系と周囲を合わせた全エントロピー変化で決まるためです。また、温度と圧力が一定の場合には、エンタルピーとエントロピーを組み合わせたギブズ自由エネルギーが、よく使われる自発性の判定基準になります。
熱力学の式の分母には、必ず絶対温度を使います。摂氏ゼロ度は熱エネルギーがゼロという意味ではないため、摂氏温度をそのまま代入できません。摂氏温度に 273.15 を加えるとケルビンに換算できます。同じ熱量が移動する場合、低温ほどエントロピー変化は大きくなります。系がすでに持つ熱エネルギーに対して、そのエネルギーがより大きな相対的再分配をもたらすためです。
熱量を温度で割る単純な式が厳密に当てはまるのは、可逆等温経路です。ただし、エントロピーは状態関数なので、実際の不可逆変化も、同じ初状態と終状態を結ぶ都合のよい可逆経路を想定して評価できることがあります。温度が変わる過程では積分が必要で、熱容量や終温と初温の比の対数を用いることがよくあります。平衡温度での相転移は直接的な応用例で、モル融解エンタルピーやモル蒸発エンタルピーを転移温度で割ります。
相変化の見積もり、熱浴との可逆的な熱交換、授業の演習、熱力学の単位確認に利用してください。熱量とエントロピーは、一モルや試料全体など、同じ物質量を対象にする必要があります。複雑な反応では、完全な結論を出す前に、標準モルエントロピー表、熱容量補正、混合の項、系と周囲を分けた計算などが必要になる場合があります。
エントロピーの計算例
| 熱量と温度 | エントロピー変化 | 状況 |
|---|---|---|
| 273.15 K で 6.01 kJ | 22.00 J/K | 氷一モルの融解に伴うエントロピー変化の概算です。 |
| 400 K で 10 kJ | 25 J/K | 正の可逆熱量が系に入ります。 |
| 250 K で -5 kJ | -20 J/K | 熱が系から出ると、系のエントロピー変化は負になります。 |
エントロピー変化の計算手順
- 系に出入りする可逆熱量を確認します。
- 熱量をキロジュールで入力し、系から出る場合は負の符号を付けます。
- 過程の温度をケルビンに換算して入力します。
- 「エントロピー変化を計算」を選び、符号と単位を踏まえて結果を読み取ります。
エントロピー計算機のよくある質問
なぜ温度をケルビンで入力するのですか?
熱力学の比には絶対温度尺度が必要です。摂氏のゼロ点は人為的に定められているため、そのまま使うと物理的に誤った結果になります。
エントロピー変化は負になりますか?
はい。系が熱を放出したり、より秩序だった状態になったりすると、系のエントロピーは減少し得ます。第二法則が対象とするのは、系と周囲を合わせたエントロピー変化です。
温度が変わる場合もこの式を使えますか?
直接割り算できるのは、一定温度で可逆的に移動する熱です。温度が変わる場合は、適切な経路に沿って微小な可逆熱量を温度で割り、積分します。
エントロピーとエンタルピーの違いは何ですか?
エンタルピーは一定圧力で便利なエネルギー量を表し、エントロピーはエネルギーの分散と取り得る状態を表します。ギブズ自由エネルギーは両者の効果を組み合わせたものです。
エントロピーは乱雑さの尺度ですか?
乱雑さは入門用の比喩として役立ちますが、誤解を招くこともあります。より正確には、エネルギーの分散と、取り得る微視的状態の数に関係する量です。