薄レンズ式計算機
焦点距離・物体距離・像距離を求めるレンズ公式
解きたい変数を選び、残りの2つの既知値を入力すると、薄レンズの式 1/f = 1/dₒ + 1/dᵢ を使って未知数を求めます。倍率と像の性質も自動で計算されます。
薄レンズ式計算機
焦点距離・物体距離・像距離を求めるレンズ公式
薄レンズ式計算機について
薄レンズ式は幾何光学の基本結果の1つで、成像系における3つの重要な距離、つまり物体距離 dₒ、像距離 dᵢ、レンズの焦点距離 f を、美しい関係 1/f = 1/dₒ + 1/dᵢ で結びます。この計算機は、残りの2つが分かっていれば3つの未知量のいずれでも解けるので、学生、検眼士、カメラ設計者、そして光学系を扱うすべての人にとって実用的です。
収束(凸)レンズは焦点距離が正で、平行光を反対側の焦点に集めます。物体が焦点より遠くに置かれると、レンズの反対側に倒立した実像ができ、スクリーンに投影できます。これはカメラ、プロジェクター、人の目の原理です。物体が焦点距離より内側にあると、レンズは虫眼鏡のように働き、物体と同じ側に正立した拡大虚像を作ります。
発散(凹)レンズは焦点距離が負で、平行光を、入射光と同じ側にある仮想の焦点から出たかのように外向きに広げます。この種のレンズは、物体の位置に関係なく、常に虚像・正立・縮小像を作ります。発散レンズは、眼鏡の近視矯正や複合光学系の収差低減のために、収束要素と組み合わせて使われることが多いです。
線倍率 m = −dᵢ/dₒ は、像の大きさと向きの両方を表します。倍率が負なら倒立像、正なら正立像です。絶対値はサイズ比を示し、|m| = 2 なら像の高さは物体の2倍です。
この計算機は、初等物理や工学光学で最も一般的な、実像を正とするデカルトの符号規則を採用しています。物体はレンズの入射光側にあるとき dₒ が正、出射側にできる実像は dᵢ が正、物体と同じ側にできる虚像は dᵢ が負です。焦点距離は収束レンズで正、発散レンズで負です。f の符号を正しく入力することが重要で、f = −10 cm を f = 10 cm と入力すると像の性質が完全に変わります。
薄レンズ式そのものに加えて、この計算機は結果を解釈します。像が実像か虚像か、正立か倒立か、拡大か縮小かを示します。これらの特性は、光学素子を実用システムでどう使えるかを決めるもので、望遠鏡、顕微鏡、カメラ、プロジェクターを設計する際の重要な知識です。
薄レンズ式の例
これらの例では、収束レンズと発散レンズに関する典型的な光学シナリオを扱います。
| レンズ設定 | 結果 | 注記 |
|---|---|---|
| dᵢ を求める: dₒ = 30 cm, f = 10 cm(収束レンズ) | dᵢ = 15 cm, m = −0.5(実像、倒立、縮小) | 物体を 3F に置くと、レンズの反対側 1.5F に実像ができ、倒立になります。 |
| dᵢ を求める: dₒ = 5 cm, f = 10 cm(虫眼鏡) | dᵢ = −10 cm, m = 2(虚像、正立、拡大) | 収束レンズの焦点距離より内側に物体を置くと、虚像・正立・拡大像が得られます。これが虫眼鏡の原理です。 |
| dᵢ を求める: dₒ = 30 cm, f = −10 cm(発散レンズ) | dᵢ = −7.5 cm, m = 0.25(虚像、正立、縮小) | 発散(凹)レンズは、物体の位置に関係なく、常に虚像・正立・縮小像を作ります。 |
| f を求める: dₒ = 20 cm, dᵢ = 20 cm | f = 10 cm(物体が 2F にある) | 物体距離と像距離が等しいとき、物体は 2F にあり、像の大きさは物体と同じです。 |
薄レンズ式計算機の使い方
- 対応するボタンをクリックして、解きたい量(像距離 dᵢ、物体距離 dₒ、焦点距離 f)を選びます。
- 有効になっている入力欄に、既知の2つの値を入力します。実物体/実像には正の距離を、虚物体/虚像や発散レンズには負の距離を使います。
- 計算をクリックすると、未知数、線倍率 m = −dᵢ/dₒ、そして像の性質(実/虚、正立/倒立、拡大/縮小)がすぐに表示されます。
- 例のプリセットボタンを使うと、虫眼鏡、カメラレンズ、焦点距離の決定などの代表例を読み込めます。
- リセットをクリックすると、すべての項目を消去して新しい計算を始められます。
薄レンズ式 FAQ
薄レンズ式とは何ですか?
薄レンズ式は 1/f = 1/dₒ + 1/dᵢ で表され、f はレンズの焦点距離、dₒ はレンズから物体までの距離、dᵢ はレンズから像までの距離です。収束レンズ(f が正)と発散レンズ(f が負)のどちらにも使える理想薄レンズの式で、レンズの厚さは物体距離・像距離に比べて無視できると仮定します。
倍率とは何で、どう計算しますか?
線倍率 m = −dᵢ/dₒ は、像の大きさが物体に対してどれだけ大きいかを表します。絶対値が 1 より大きいと拡大、1 より小さいと縮小です。符号が負なら像は倒立です。たとえば m = −2 なら、像は物体の2倍の大きさで上下反転しており、カメラやプロジェクターで見られる像と同じです。
実像と虚像はどう見分けますか?
実像は、光線がレンズの反対側で実際に収束してできる像です。実像では dᵢ > 0 です。虚像は、物体と同じ側のある点から発散しているように見える像です。虚像では dᵢ < 0 です。実像はスクリーンに投影できますが、虚像はできません。ただし、虫眼鏡やカメラのファインダーのようにレンズ越しには見えます。
物体が焦点にあるとどうなりますか?
dₒ = f のとき、レンズ式では 1/dᵢ = 0 となり、像は無限遠にできます。屈折後の光線は平行になり、もはや収束も発散もしません。実際には、明確な像は形成されません。懐中電灯やサーチライトはこの幾何を利用して平行光束を作ります。
鏡にもこの計算機は使えますか?
同じ鏡の式 1/f = 1/dₒ + 1/dᵢ は凹面鏡と凸面鏡にも使えますが、符号規則は異なります。鏡では f = R/2 で、R は曲率半径です。凹面鏡では f > 0、凸面鏡では f < 0 です。f の符号を適切に入力すれば、この計算機を鏡の式計算機として使えます。
この計算機の符号規則は何ですか?
この計算機は実像を正とする規則(デカルトの符号規則)を使います。物体が入射光側にあるとき dₒ は正、像が出射側(実像)にできるとき dᵢ は正、物体と同じ側にできるとき(虚像)は dᵢ が負です。焦点距離は収束レンズで正、発散レンズで負です。