遠心機計算機

遠心機の相対遠心力(RCF)、RPM、またはローター半径を計算します。2つの値を入力すると、3つ目が求まります。

計算したい値を選び、残りの2つのパラメータを入力すると、すぐに結果が表示されます。

遠心機計算機
遠心機の相対遠心力(RCF)、RPM、またはローター半径を計算します。2つの値を入力すると、3つ目が求まります。

遠心機計算機について

遠心機は、生物学、生化学、医学、化学の実験室で最も広く使われている装置のひとつです。試料を高速回転させて遠心力を生み出し、粒子の大きさ、形状、密度、周囲媒体の粘度に基づいて沈降を促進しながら分離します。回転速度とローターの形状を適切に制御することで、研究者は複雑な混合物を分析、精製、処理のために別々の画分へ分けることができます。 相対遠心力(RCF)は、g 力とも呼ばれ、遠心の強さを標準化して表す指標です。試料に作用する遠心力を、地球の標準重力加速度(g = 9.81 m/s²)の何倍かで示します。たとえば 1000 × g の RCF では、試料は重力のみの場合の 1000 倍の力を受けています。RPM ではなく RCF を使うことで、実際の力が回転数とローター半径の両方に依存するため、異なる遠心機やローターでも再現性の高い手順になります。 RCF、ローター回転数(RPM)、ローター半径(r)の関係は、RCF = 1.118 × 10⁻⁵ × r(cm) × RPM² という式で表されます。この式は、向心加速度 a = ω²r から導かれます。ここで ω は角速度(rad/s)です。RPM を rad/s に変換し、半径を cm に直し、g = 980 cm/s² で割ると、定数 1.118 × 10⁻⁵ が得られます。式に使うローター半径は、ローター中心から試料チューブ底部までの距離で測定してください。チューブ上端やローター外縁ではありません。 この計算機は、3つの変数のうち2つが分かっていれば、残り1つを求められます。RPM と半径から RCF を求めるには、RPM と半径を入力して「RCF」を選びます。特定の g 力を得るために必要な RPM を求めるには、目標 RCF とローター半径を入力して「RPM」を選びます。特定の RCF を、与えられた RPM で達成するために必要な最小ローター半径を求めるには、RCF と RPM を入力して「半径」を選びます。 一般的な遠心プロトコルでは、用途に応じて幅広い RCF が使われます。低速遠心(100–600 × g)は、全細胞、酵母、大きな細胞破片のペレット化に使われます。中速遠心(1,000–15,000 × g)は、細菌ペレット、ミトコンドリア、膜断片の回収に使われます。高速遠心(15,000–100,000 × g)は、ミクロソーム、リボソーム、ウイルス粒子の分離に用いられます。超遠心(100,000–500,000 × g)は、細胞内小器官、大きな高分子複合体、解析用密度勾配分離に使われます。 遠心では正確さが重要です。最大半径を平均半径や最小半径と混同するなど、RCF を誤ると、分離不十分、試料損失、繊細な生体構造の損傷につながります。試料が実際にペレット化する位置である、装填時のチューブ底部までの距離をローター中心から測定してください。高速回転時の振動やローター破損を防ぐため、チューブは必ず向かい合う位置でバランスを取って配置する必要があります。

遠心機計算機の例

代表的な実験室の遠心条件と計算結果です。

既知の条件結果プロトコル / 用途
RPM = 3000, Radius = 85 mm → RCFRCF ≈ 855 × g細胞ペレット化の手順。低速回転で培地中の哺乳類細胞を沈降させ、破片は懸濁のまま残します。
RCF = 12000 × g, Radius = 85 mm → RPMRPM ≈ 11,241細菌ペレット用の高速回転。手順では 12,000 × g を指定しており、この計算機で遠心機に設定すべき正確な RPM が分かります。
RCF = 500 × g, RPM = 1500 → RadiusRadius ≈ 198.8 mm1500 RPM で 500 × g を得るために必要な最小ローター半径を求めます。r = RCF / (1.118×10⁻⁵ × RPM²) × 10 mm —— プロトコルに合うローター選定に便利です。
RPM = 50000, Radius = 50 mm → RCFRCF ≈ 139,750 × g50,000 RPM、50 mm ローターでの超遠心運転です。この規模の力で、リボソームや大きなタンパク質複合体を効率よく分離できます。

遠心機計算機の使い方

  1. まず、RCF(g 力)、RPM(回転数)、または半径のどれを計算するか選びます。計算機上部の該当ボタンをクリックしてください。
  2. 既知の2つの値を入力します。RCF を求める場合は RPM と半径(mm)を、RPM を求める場合は RCF と半径(mm)を、半径を求める場合は RCF と RPM を入力します。
  3. 最も正確にするため、ローター半径はローター中心から、装填したチューブ底部までの距離として測定してください。
  4. 「計算」をクリックします。結果は適切な単位で表示されます。RCF は × g、回転数は RPM、半径は mm です。
  5. 計算結果を使って遠心機を設定し、プロトコルを記録し、または既存の条件が指定の g 力を満たしているか確認できます。

遠心機計算機 FAQ

RCF とは何ですか?RPM ではなく RCF を使う理由は?
RCF(相対遠心力)は、試料が受ける遠心力を、地球の重力加速度の何倍かで表したものです。RPM(毎分回転数)は回転速度だけを示し、試料に実際にかかる力は示しません。遠心力は RPM とローター半径の両方に依存するため、同じ RPM でも遠心機やローターが違えば RCF は変わります。科学的な手順では再現性を確保するため RCF を指定します。3000 × g と書かれた手順なら、どの遠心機やローターを使っても同じ分離結果が得られます。
ローター半径はどうやって正確に測りますか?
ローター半径は、ローター中心(回転軸)から、チューブが運転位置でローターに収まったときのチューブ底部までの距離として測ります。試料が実際にペレット化するのはこの位置です。チューブ口やローター外縁までを測ると RCF を過大評価してしまいます。スイングバケットローターでは、加速中にバケットが外側へ振れるため半径が変化します。最大 RCF を計算するときは、完全に水平になった位置の半径を使ってください。
細胞培養のペレット化にはどの RPM を使えばよいですか?
多くの哺乳類細胞培養プロトコルでは、200–400 × g で 5–10 分間遠心して細胞をペレット化します。これなら細胞を傷つけずにやさしく沈降させられます。半径 85 mm のローターでは、200 × g は約 1456 RPM、400 × g は約 2060 RPM に相当します。この計算機を使って、ご自身のローターに合う正確な RPM を求めてください。細菌はより小さく密度が高いため、効率よくペレット化するには通常 3000–5000 × g が必要です。
固定角ローターとスイングバケットローターの違いは何ですか?
固定角ローターでは、チューブは遠心中ずっとローター軸に対して一定角度(通常 25–45°)で保持されます。粒子がすぐにチューブ壁へ到達するため沈降経路が短く、ペレット化を高速かつ効率的に行えます。スイングバケットローターでは、回転中にバケットが水平位置まで振れるので、粒子はチューブ全長を通って底まで移動します。スイングバケットローターはバンドがよりシャープになるため、密度勾配分離に向いています。2つの設計では有効半径が異なるため、RCF 計算にも影響します。
どの遠心機でも g 力を RPM に換算できますか?
はい。ただし、その遠心機モデルのローター半径が必要です。式 RPM = √(RCF / (1.118 × 10⁻⁵ × r_cm)) で正確な回転数が求まります。目標 RCF とローター半径をこの計算機に入力し、「RPM」を選べば、すぐに答えが得られます。ローター半径が不明な場合は、メーカーの資料を確認するか、定規でローター中心からチューブ底まで直接測ってください。
超遠心に専用機器が必要なのはなぜですか?
超遠心機は 50,000–150,000 RPM で動作し、100,000–1,000,000 × g の力を生み出します。この極端な条件では、ローター自身の質量にも非常に大きな遠心応力がかかるため、高精度に設計されたチタン製または炭素複合材のローターが必要です。ローターは空気摩擦と発熱を抑えるため真空チャンバー内で回転し、少しでも不均衡なチューブがあると、高度なアンバランス検知システムが装置を停止させます。通常の実験室用遠心機はこの速度を想定しておらず、定格最大 RCF を超えて使うと致命的な故障につながります。