デルタ-スター変換計算機

デルタ(Δ)とスター(Y)の回路構成を相互変換し、等価抵抗を即座に計算します。

変換方向を選び、3つの抵抗値を入力すると、もう一方の構成の等価抵抗が求まります。

デルタ-スター変換計算機
デルタ(Δ)とスター(Y)の回路構成を相互変換し、等価抵抗を即座に計算します。

デルタ-スター変換について

デルタ(Δ)とスター(Y)は、3端子の電気回路で3つの抵抗(またはインピーダンス)を接続する2つの基本的な方法です。名称は、ギリシャ文字のデルタと文字 Y の形に由来します。これらのトポロジーは、電気工学、電力システム、回路解析のあらゆる場面に登場します。複雑な回路を簡単な直列・並列だけでは扱えないとき、この2つを相互変換できることは重要なスキルです。 デルタ接続では、3つの抵抗が A、B、C の各ノード間を三角形に結びます。各抵抗は 2 つの端子の間に直接入っており、R12 は A-B、R23 は B-C、R31 は C-A をつなぎます。デルタは三相配電でよく使われ、循環電流の経路を確保し、無効電力の供給を扱いやすくします。ただし回路解析では、デルタ回路を等価なスター回路へ変換してから、キルヒホッフの法則や節点法を使うほうが簡単なことが多いです。 スター接続(星形接続とも呼ばれます)では、3つの抵抗が中央の中性点から外側の 3 端子へ伸びます。Ra は中性点と端子 A、Rb は端子 B、Rc は端子 C を結びます。中性点にアクセスできるため電圧測定がしやすく、平衡三相系では標準的な構成です。中性線が戻り電流を流します。 デルタ→スター変換式は、両方の回路で任意の端子間の抵抗が等しくなるように導かれます。デルタ抵抗を R1(A-B)、R2(B-C)、R3(C-A)とすると、等価なスター抵抗は Ra = R1·R3 / (R1+R2+R3)、Rb = R1·R2 / (R1+R2+R3)、Rc = R2·R3 / (R1+R2+R3) です。分母には毎回 R1+R2+R3 が現れ、正規化の役割を果たします。 逆のスター→デルタ変換も同様に重要です。スター抵抗 Ra、Rb、Rc が与えられたら、まず S = Ra·Rb + Rb·Rc + Rc·Ra を求めます。そこから R12 = S/Rc、R23 = S/Ra、R31 = S/Rb です。平衡回路で Ra = Rb = Rc = RY なら、等価なデルタ抵抗は RΔ = 3·RY になります。逆に、各スター腕はデルタ腕の 3 分の 1、つまり RY = RΔ/3 です。 これらの変換は、電力システムの潮流計算の簡略化、ブリッジ回路の非直列・非並列枝の解消、インピーダンス整合が必要なフィルタ設計などで広く使われます。式は複素インピーダンスにもそのまま適用でき、各抵抗 R をインピーダンス Z = R + jX に置き換えるだけです。そのため、任意の周波数の交流回路にも有効です。

デルタ-スター変換の例

実際的な抵抗値を使って、両方向の変換を示します。

入力構成結果備考
平衡デルタ: R1 = R2 = R3 = 10 Ω → スターRa = Rb = Rc = 3.33 Ω平衡デルタは平衡スターに変換され、各腕はデルタ抵抗の 3 分の 1 になります。
不平衡デルタ: R1 = 5 Ω, R2 = 10 Ω, R3 = 15 Ω → スターRa = 2.5 Ω, Rb = 1.67 Ω, Rc = 5.0 Ω合計 = 30 Ω。Ra = 5×15/30、Rb = 5×10/30、Rc = 10×15/30。
スター: Ra = 6 Ω, Rb = 8 Ω, Rc = 12 Ω → デルタR12 = 18 Ω, R23 = 36 Ω, R31 = 27 ΩS = 6×8 + 8×12 + 12×6 = 216。R12 = 216/12、R23 = 216/6、R31 = 216/8。
配電デルタ: R1 = 2.5 Ω, R2 = 3.0 Ω, R3 = 2.8 Ω → スターRa = 0.843 Ω, Rb = 0.904 Ω, Rc = 1.012 Ω小規模配電網の典型的なフィーダ抵抗をスターへ変換し、潮流解析をしやすくします。

デルタ-スター変換計算機の使い方

  1. 変換方向を選択します。3つの抵抗が三角形なら「デルタからスターへ (Δ → Y)」、中心ノードでつながっているなら「スターからデルタへ (Y → Δ)」を選びます。
  2. 抵抗値 R1、R2、R3 をオーム単位で入力します。すべて 0 より大きい数値である必要があります。
  3. [計算]をクリックします。変換後の 3 つの等価抵抗が表示されます。
  4. 出力を確認します。デルタ→スターでは Ra、Rb、Rc(3 本のスター腕)、スター→デルタでは R12、R23、R31(3 本の三角形辺)が得られます。
  5. [リセット]をクリックすると、すべての欄がクリアされ、別の値で再計算できます。

デルタ-スター変換 FAQ

デルタ→スター変換はいつ使うべきですか?
回路に、直列・並列の簡単化を妨げるデルタ状の部分回路があるときに使います。デルタを等価なスターに変換すると、回路がより単純なはしご形になり、オームの法則とキルヒホッフの法則で扱いやすくなります。ブリッジ回路解析や三相電力計算で特によく使われます。
2つの回路は端子の挙動が完全に同じですか?
はい。等価スターと元のデルタは、外部回路から見ると 3 つの外部端子で電流と電圧が完全に一致します。内部の電流分布は異なりますが、外からは区別できません。この等価性が変換の数学的な基礎です。
平衡回路のルールは何ですか?
3 つのデルタ抵抗がすべて等しい(R1 = R2 = R3 = RΔ)なら、各スター腕は RΔ/3 です。逆に、3 つのスター腕がすべて等しい(Ra = Rb = Rc = RY)なら、各デルタ辺は 3·RY になります。この近道は、平衡三相負荷や対称ラティスフィルタで便利です。
これらの式は AC インピーダンスにも使えますか?
もちろんです。各抵抗 R を複素インピーダンス Z = R + jωL − j/(ωC) に置き換えるだけです。変換式の形はまったく同じで、R 値を Z 値に差し替えるだけです。そのため、任意の周波数での誘導性・容量性回路にも適用できます。
なぜ計算機でデルタ抵抗のラベルが違うのですか?
教科書ごとに命名規則が異なるためです。デルタの各腕を R12、R23、R31 と書いて接続ノードを示すものもあれば、スター腕を Ra、Rb、Rc と表すものもあります。この計算機では、入力を分かりやすくするため R1、R2、R3 を使い、結果欄で標準表記に対応させています。
この変換は誤差なく元に戻せますか?
はい。デルタからスターへ変換し、さらにデルタへ戻せば、計算上の浮動小数点丸め誤差を除いて元の値を正確に復元できます。この計算機は IEEE-754 倍精度を使っているため、入力値に対する相対誤差は 10⁻¹⁰ 未満です。